アニュアルレポート・2002
衛生学の動向
田中 正敏
1
1福島県立医科大学医学部衛生学講座
pp.187-190
発行日 2002年3月15日
Published Date 2002/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902693
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健康に生き,健やかに老いることは,21世紀の高齢社会において最大の問題である.健康の保持・増進,健康的な環境条件の確保のためには広く社会の組織的な取り組みと活動が必要である.しかし昨今,人類を取り巻く環境の変容は著しく,生活・産業廃棄物は空気,水,土壌を汚染し,生活環境にとどまらず,地球全体の環境にも多大の影響を与えている.
21世紀の初年,いろいろな変革や事件が生起した.1月には省庁の再編が実施され,大学においても教育行政の変革により,大学院大学も発足し,看板の掛け替えが進んでいる.1992年に地球サミットで地球温暖化防止の「気候変動枠組み条約」が採択されたが,京都会議でのCO2排出逓減目標の達成には,ほど遠い状態にある.世界を震撼させたアメリカでのテロ事件,炭疽菌騒動は,社会医学の立場からも大きな出来事である.
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