特集 青少年暴力・1
青少年暴力—統計から見た実像
前田 雅英
1
1東京都立大学法学部
pp.788-792
発行日 2001年11月15日
Published Date 2001/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902609
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本稿では,少年犯罪に関する日本の公的統計を整理することにより,第二次世界大戦後の日本の青少年の暴力の問題を考える素材を提供したい.
わが国においては,20歳未満の者には,少年法の適用がある(少年法2条).そして,少年法は「少年非行」として三つの類型を挙げている.1)14歳以上20歳未満の少年による刑罰法規に当たる行為(犯罪行為),2)刑罰法規に触れる行為だが14歳未満のために刑事責任を問われないもの(触法行為),3)刑罰法規に該当しない不良行為(ぐ犯)である.それぞれの類型に当たる少年を「犯罪少年」,「触法少年」,「ぐ犯少年」と呼ぶ.少年は,年齢により年少少年(14〜15歳),中間少年(16〜17歳),年長少年(18〜19歳)に分けて説明されることが多い.そしてそれ以下の年齢の者が犯罪を犯した場合は触法少年と呼ばれる(ぐ犯にはもちろん14歳未満も含まれる).そのほか,少年法の対象にはならないが,不良行為少年が警察の補導の対象とされている.
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