シリーズ 老人保健法にもとづく第2回機能訓練事業全国実態調査報告
〈介護保険制度開始直後調査(平成12年7月)〉1.機能訓練事業を中止した理由
澤 俊二
1
,
大田 仁史
1
,
岩井 浩一
1
,
安岡 利一
1
,
大仲 功一
1
,
伊佐地 隆
1
1茨城県立医療大学保健医療学部
pp.389-392
発行日 2001年5月15日
Published Date 2001/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902515
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われわれは,介護保険制度開始前の平成10年7月,機能訓練事業実施施設に対する全国アンケート調査を実施し,現場の現状と意識を12回にわたって報告した(63巻4号〜64巻3号参照).91%の施設が機能訓練事業の必要性を実感しながらも,介護保険制度開始後の事業内容の変化を予測していた.その後,厚生省からの通達により,介護保険制度開始後はA型→B型への移行を積極的に進める,すなわち,介護保険制度で寝たきり度A〜Cを対象にし,機能訓練事業でJランク虚弱老人を対象にしてゆく役割分担が打ち出された.平成12年4月1日より介護保険制度が開始されると,あちらこちらからA型の継続が困難になったとか,対象者の減少が著しいとか,厚生省の方針は40〜64歳までの様々な疾患と障害を持つ利用者を切ることになるとか,とまどいの声が聞こえだしてきた.
そこで,平成12年7月,前回調査で有効回答を得た機能訓練事業実施施設に開始後の変化と展望について緊急アンケート調査を実施した.介護保険制度がどう影響を及ぼしているのか,機能訓練事業の動きとそのあり方を含めて,前回の結果と比較しながら3回にわたって報告する.
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