特集 根拠に基づく公衆衛生の展開
公衆衛生研究とEBMの接点—根拠をつくる方法
西 信雄
1
,
水嶋 春朔
2
1宝塚市立健康センター
2東京大学医学教育国際協力研究センター
pp.38-42
発行日 2001年1月15日
Published Date 2001/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902433
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21世紀初頭の日本人の健康づくりにおいて重要なかぎを握る「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」では基本方針として,1)一次予防の重視,2)健康づくり支援のための環境整備,3)目標などの設定と評価,4)多様な実施主体による連携のとれた効果的な運動の推進,の四つをあげている.厚生省は,この健康づくり運動を効果的に推進するために,各地域などにおいて住民,健康に関連する多様な関係機関や関係団体などの参加を得て,地域などの実情に応じた健康づくりの推進に関する具体的な計画(地方計画)が策定される必要がある,としている1).
この地方計画の策定のためには,健康課題ごとに地域などの客観的な現状評価をまず基本的な根拠として押さえ,客観的な指標による目標値の設定,有効性が確認された健康づくり戦略・戦術の採用,客観的な地域集団のモニタリングによる達成度の評価を国としての政策のみならず,地方ごとにすすめていくことが必要である.つまり,わが国の健康づくり政策が,根拠に基づく健康政策へと大胆な転換を果たしつつあるのである.
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