特集 根拠に基づく公衆衛生の展開
ヘルスプロモーションからのアプローチ
武藤 孝司
1
1順天堂大学医学部公衆衛生学教室
pp.33-37
発行日 2001年1月15日
Published Date 2001/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902432
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近年,臨床医学においては根拠に基づく医療(evidence-based medicine;EBM)が重視されてきており,公衆衛生でもその根拠が要求されるようになっている1).また,世界的なヘルスプロモーション注)の興隆の中で,公衆衛生がヘルスプロモーションの枠組みの中で取り組まれようとしている2).ヘルスプロモーションにおいてもEBMの影響でその根拠が問題とされてきており,ヨーロッパを中心にかなりの検討が行われている3,4).本稿の目的は,根拠に基づく公衆衛生の展開に関してヘルスプロモーションの視点からこれまでの研究成果を整理して問題点の所在を明らかにし,今後の方向を探ることにある.
注)“Health Promotion”は通常「健康増進」,「健康づくり」と訳され,逆に「健康増進」,「健康づくり」は“Health Promotion”と英訳されるが,WHOが用いる“Health Promotion”とわが国の「健康増進」,「健康づくり」とは概念が若干異なっているため,“Health Promotion”は「ヘルスプロモーション」と訳す.
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