調査報告
日常生活での歩数増加に着目したウォーキング教室の降圧効果
大西 郁子
1
,
東郷 直美
1
,
内田 恵美子
2
,
松田 亮三
3
,
車谷 典男
3
1奈良県河合町保健センター
2奈良県健康づくりセンター・運動指導課
3奈良県立医科大学衛生学教室
pp.367-371
発行日 2000年5月15日
Published Date 2000/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902305
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最近発表されたわが国の約1万人を対象とした14年間の追跡研究結果1)でも,循環器疾患対策のためには,WHO分類などでいう高血圧を管理するだけではなく,血圧水準そのものを低く保つことの重要性が指摘されている.市町村保健センターは,循環器疾患の第1次予防として生活習慣に関する健康教育を実践しており,近年,高血圧の非薬物療法の一つ2)に位置づけられたウォーキングなどの運動療法も積極的に取り上げつつある.しかし,これまでに降圧効果を確認した研究のほとんどは,医療機関で高血圧症患者を対象に実施されたものであり,地域で,しかも保健センターが主に対象とするような軽症高血圧2)や正常高値血圧3)の者に対する運動療法の効果を検討した報告は乏しい.今回,エルゴメータなどの機器類は使用せず,日常生活での歩数増を目標としたウォーキングの降圧効果について検討したので,その成績を報告する.
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