視点
公衆衛生の心,公の責任—21世紀に向けての地域保健
中村 好一
1
1自治医科大学保健科学講座
pp.770-771
発行日 1999年11月15日
Published Date 1999/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902176
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「公衆衛生という言葉はなくなるのでしょうか?」私の所属の名称が公衆衛生学教室から保健科学講座に変更されたときに,ある公衆衛生関係者から出てきた疑問である.
自治医大では講座再編成を進めており,本年7月1日に衛生学教室と公衆衛生学教室が合併して大講座となり,このような名称になった.名称を決める際にいろいろ議論した.二つの名称を併せた「衛生学・公衆衛生学」は採用しない,という点は初めから確認されていた.世界的な趨勢を考えた場合,「公衆衛生」がスジだが,これでは衛生学が公衆衛生学に飲み込まれた印象があるので,採用されなかった.しからば公衆衛生に代わる言葉は何か,と考えたときに出てきたのがhealth scienceであり,これを日本語にして保健科学講座とした.保健科学は広範囲すぎるので「保健医学」でどうだ,という意見もあったが,結局,ここに落ち着いた.
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