連載 西生田の杜から
仕事と学習
足立 紀子
1
1日本女子大学社会福祉学科
pp.358-359
発行日 1999年5月15日
Published Date 1999/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902082
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私にとっての学び
西生田の杜は四季折々美しい.よみうりランド駅前から数分歩くと大学の正門に入るが,一歩足を踏み入れると奥多摩でも歩いているような気分になる.3年あまり前,社会人入試で初めて訪れたとき,私はこれだけで満足したくらいだ(大学の本質とは関係なく).だらだらと続く坂道の両脇には桜,楓,松が,そして落葉樹がうっそうと茂っている.真っ白な校舎と手入れのゆき届いたキャンパスはいかにも女子大らしい清潔感がある.
歩くことの嫌いな現代の若者は,この坂道を嫌い,エスカレータか“歩く歩道”をつけてほしいなどと言っている.56歳の新入生には考えられない.とりわけ歩くことの好きな私には“もったいない”とさえ思ってしまう.こんなすばらしい環境と健康な足に恵まれて何を言っているのだろう,貧しい時代に育ったおばさん学生は思う.
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