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今月の事例 香川県
こどもの聴覚健診に関する実践事例—香川県下での取り組み
福永 一郎
1
,
今西 春彦
2
1香川県坂出保健所
2名古屋市天白保健所
pp.890-891
発行日 1998年12月15日
Published Date 1998/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902005
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平成3年度より,3歳児健診に聴覚健診が導入され8年目を迎えている.こどもの聴覚言語の健診を十分に機能させるには,健診の実施体制を整えたり,こどもの聴覚や言語のアプローチの重要性について,従事者のみならず専門家や保護者などの当事者(一般住民)の理解を得ることが必要である.香川県下においては,3歳児健診を中心とした聴覚健診は,足かけ8年の歴史を経て,それなりの成果を上げてきている.誌面の都合もあるので,これまでの香川県下でのこどもの聴覚や言語健診への取り組みについて,筆者が大学衛生・公衆衛生学教員(平成2年〜平成5年),保健所医師(平成5年〜現在)および日本耳鼻咽喉科学会香川県地方部会(以下,日耳鼻地方部会)乳幼児医療担当者(平成6年〜現在)として関与した部分を中心に,その概略をかいつまんで述べることとする.
健診を実施するに当たっての問題は,その導入された健診が妥当なものであるか,そしてその健診が設計どおりにきちんと行われるかどうかということである.3歳児健診への聴覚健診の導入も,全国的にみるとそのあたりが十分ではない地域もあることが伺われる1)・香川県では,初年度(平成3年)モデル健診の実施により,中等度の感音性難聴,聴力低下を有する滲出性中耳炎,言語発達の障害をターゲットとし,幼児期の耳鼻咽喉科的問題に対し十分な保健指導も意図した健診方式を開発し平成4年から新方式で再出発した.なお,筆者は大学在職時代にこの作成に関与している.
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