連載 全国の事例や活動に学ぶ
今月の事例 香川県丸亀保健所
参加者主体型学習「おもいッきり健康教室」を開催して
福永 一郎
1
,
平山 宏史
2
1香川県坂出保健所
2岐阜県高山保健所
pp.744-745
発行日 1998年10月15日
Published Date 1998/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901973
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これからの健康増進は,住民個人が主人公となって行動し,まわりがそれを支えるということが必要となる.したがって健康教育も,今後は実施者側が設定したメニューをこなしてもらうような形から,参加者が主体的に内容を決定してゆき,実施者側はそれをサポートするようなものが有効となってくる.香川県丸亀保健所では,平成9年度に地域保健推進特別事業を利用して参加者主体型健康学習「おもいッきり健康教室」を実施したので,その経験を紹介する.
従来より,健康教育はいろいろな法体系に沿って多くのメニューが行われているが,それらの多くは疾病予防あるいは教条主義的健康教育に偏りがちで,「地域で健康を確保するための本来あるべき包括的な目標」に沿って行われていることは少ない.今回,ヘルスプロモーション(個人技術の開発と能力付与,組織的アプローチ,環境整備など)を念頭におき,そのごく小さな試みとして,参加者が主体的に健康教育を運営し,将来的に組織的アプローチにもつながるような健康教室を行いたいと考えた.また,健康に関連することがらは単に疾病予防だけではなく,保健・医療・福祉・環境・文化などの多岐にわたっているはずであり,これらのグローバルな包括性を加味する必要があると考えた.企画の実際は管理栄養士を中心に行い,教室の名称はテレビの人気番組をもじってつけたものである.
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