連載 研究ノート
在宅高齢者の地域支援システム
ケアプランの効果の研究—平成8年度厚生科学研究高齢者在宅ケア地域総合支援システム研究事業
貞本 晃一
1
1北海道帯広保健所
pp.590-596
発行日 1997年8月15日
Published Date 1997/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901746
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平成6年度からの3年間にわたって,北海道内の6保健所ではMDS-HC/CAPs(Minimum Data Set-Home Care/Client Assessment Protocols)を用いた在宅高齢者などのアセスメントやケアプランの作成で保健の現場での具体的課題に関して検討を重ねてきました.その間には地域保健法の基本指針の中の「ケアコーディネーション」の機能や公的介護保険法案などが示され,地域ケアにおける市町村や保健所,そして保健婦のあり方が大きな節目にさしかかっていることを実感させられるような時代の動きが起こっています.このような中で,保健所・市町村の保健婦など,地域保健の担当者は積極的に高齢者などの在宅ケアに関与すべきであり,さらに個々のケースのケアプランから見いだされたケアニーズに関する情報の蓄積により,地域に不足する在宅ケアサービスやケア資源などを明らかにして地域プランにつなげる,いわゆる在宅ケアの総合的支援システムの確立に積極的に取り組むべきだと思います.そのための方法論としてMDS-HC/CAPsは有用な道具となり得ることを3年間の研究で確信しました.最終年度である8年度の研究を終えるに当たり,その研究の概略について報告するとともに,MDS-HC/CAPsが市町村や保健所の地域保健の現場で活用されることを願ってやみません.
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