視点
保健所長は医師でなくてよいか
小町 喜男
1
1大阪府立公衆衛生研究所
pp.760-761
発行日 1996年11月15日
Published Date 1996/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901582
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「保健所長は医師でなくてもよいのではないか」という問いかけには,長年,保健所とともに地域の保健・医療の問題,環境衛生を含む公衆衛生的な諸問題に取り組んできたわれわれにとっては,「どうしてそのように考えることができるのだろうか」と不思議な気さえする.
なるほど,結核をはじめとする感染症の全盛時代に比べれば,保健所の活躍は地味で,一般の人には保健・医療にどう貢献しているのか分かりづらい状況にある.その上,昔に比べて保健所の仕事は多様化し,直接の医療行為よりも,縁の下の力持ち的な各種関係機関の連絡調整的な仕事が多くなった.そのため,保健所長の仕事は保健・医療の専門的,技術的な仕事よりも中間行政的な事務処理の仕事が多いように見えるかも知れない.
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