特集 歯周疾患の予防—8020運動の達成に向けて
歯科医院における歯周疾患予防の実践—POS(問題志向型システム)による実践
中野 充
1
1ナカノ歯科医院
pp.641-642
発行日 1996年9月15日
Published Date 1996/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901550
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歯周疾患は,程度の差こそあれ日本人の成人の大半が罹患している.したがって来院する成人の患者,特に高齢者では歯周疾患の予防だけで終わるケースは非常に少ない.ほとんどの症例でなんらかの歯周治療を行い,治療終了後メンテナンスしながら進行の抑制あるいは,再発の予防に努めているのが現状であろう.そこで,本稿では予防のみに焦点を絞らず,歯周治療におけるPOSの実践について述べることとする.
POS(problem-oriented system)は,ご存じのように,1968年アメリカの内科医L. L. Weedが,患者の診療上,また教育ならびに研究上非常に良いということを提唱し普及に努めた.そして現在アメリカとカナダで教育的な診療を行っている多くの病院や,クリニックで普及している.日本には,1973年日野原が紹介し,一般医科の病院で徐々に導入されているようであるが,歯科では2〜3の大学附属病院歯科口腔外科での応用報告があるのみで,個人歯科診療所での応用報告は見られない.当院では,チーム医療の向上およびスタッフ教育などの目的で,およそ2年前からPOSを歯周治療に応用しているので報告し,感想を述べる.
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