特集 歯周疾患の予防—8020運動の達成に向けて
高齢者に対する歯周治療—症例を紹介しながら
田中 裕子
1
,
丸山 貴子
2
,
長谷川 紘司
2
1東京都大田区牧田総合病院歯科
2昭和大学歯学部歯周治療学
pp.616-621
発行日 1996年9月15日
Published Date 1996/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901544
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歯の喪失と高齢者のquality of life
日本人の平均寿命は,男女とも急速に伸び,高齢化社会の到来が述べられて久しい.わが国が高齢社会を迎え,さらに社会における高齢者の様々な比重が大きくなるにつれ,高齢者のquality of lifeが大きな課題として,その内容が問われていることは当然である.そのひとつとして,咀嚼機能をいかに確保してゆくかは,歯科界のみならず社会全体として考えてゆかねばならない.
現実の状況として年をとると歯を失うことによって咀嚼機能を大きく減弱させる実体については,程度の差こそあれ洋の東西を問わず世界共通のものである(表1).
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