特集 感染症の新たな動向
日和見感染の動向
古谷 信彦
1
,
山口 惠三
1
1東邦大学医学部微生物学教室
pp.377-382
発行日 1996年6月15日
Published Date 1996/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901492
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
日和見感染は通常compromised host(易感染宿主)に対する弱毒菌(平素無害菌)による感染と定義されている.
日和見感染は院内感染として発症することが多く,難治性であり,患者はしばしば重篤な状態となる.近年,このような日和見感染が増加し問題となってきているが,その背景には戦後50年余りの間に,1)種々の抗菌薬が開発され,消費量も飛躍的に増加したが,その結果,感染症の原因微生物が耐性菌を中心としたものに変貌してきたこと,2)医療の進歩によってcompromised hostが増加してきたことが挙げられる.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.