特集 感染症の新たな動向
進む国際化と輸入感染症対策の展開
大高 道也
1
,
清水 美登里
2
1厚生省成田空港検疫所
2厚生省成田空港検疫所検疫課
pp.373-376
発行日 1996年6月15日
Published Date 1996/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901491
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日本人の海外旅行者は年々増加し,今では年間1,300万人を超えるに至っているが1),他方,元気に出かけた人が病気に罹患して帰国する事例も増える傾向にある1).海外旅行者はどのようにして自らの健康の保持に努めているのだろうか.
わが国の表玄関に位置する厚生省成田空港検疫所では,1994年には1,300万人以上の海外からの旅行者に対し検疫を行っているが,特にアジア,アフリカなどの検疫伝染病(コレラ,ペスト,および黄熱)の流行地域から到着するおよそ170万人の旅行者の中に,年間5万人以上もの有症者(症状を訴える人)もしくは患者を認めている.さらに,盛染症の潜伏期間内に入国し国内で発症する事例も少なくはない(図1)2-4).
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