特集 阪神・淡路大震災時における保健医療活動
滋賀県の保健衛生医療支援活動の経過
前田 博明
1
,
角野 文彦
1
1滋賀県健康福祉部健康対策課
pp.482-485
発行日 1995年7月15日
Published Date 1995/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901305
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震災の勃発と支援活動の開始
本年1月17日未明,兵庫県南部地震が発生し,人身や家屋など多大な被害が出ました.滋賀県では地震発生当日の17日から防災車両や人員を派遣し,翌18日には兵庫県南部地震支援対策会議を設置し,また給水車の派遣や救援物資の搬送を行い始めました.健康福祉部では当初から,現地の被害の状況や保健衛生医療チームの支援の必要性についての情報収集に努めていましたが,最初の一両日ごろは現地当局との連絡が十分にとれず状況判断がしにくい状況でした.そこで19日に神戸市中央保健所に直接電話を入れたところ,「医療については現在は救急医療の対応に追われているが,スタッフが足りないし,まもなく救急処置後のフォローや慢性疾患への対処についてニーズが出てくるだろう.保健についてもケースの確認やフォロー,避難者や住民の健康相談,また今後の精神的ショックに対する対応などのニーズがある.環境衛生についても,食品衛生やトイレ,避難所の環境問題などのニーズが多い.また,避難者や住民において保健衛生医療の情報が不足しかつ混乱しており,適切な情報をきめ細かく頻繁に避難者や住民に流す必要がある.保健所の職員は出勤できる者が少なく,かつ援助物資の搬送など対策本部的な業務に追われ,保健所の本来業務の保健衛生医療の対応は十分にできていない.」というような状況でした.
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