特集 阪神・淡路大震災時における保健医療活動
大震災と神戸市衛生局—初期対応の概要
宮本 包厚
1,2
1神戸女子大学家政学部
2前神戸市衛生局
pp.445-448
発行日 1995年7月15日
Published Date 1995/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901293
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1月17日早朝,神戸市西部の自宅で激しい縦揺れで目覚めた.屋内は滅茶苦茶だったが,周辺の家屋に外観的な被害はなく,また,道路に陥没,亀裂などもなかった.
午前7時半ごろ,三宮駅北側で市役所まで徒歩40分の所で車を降りた.歩く途中,傾いている木造家屋を見かけた.加納町3丁目の交差点を南に曲がり,歩道と車道の広範囲な沈下(約30cm)に気付いた.前方を見ると9階建てのビルがピサの斜塔のように道路側に傾いていた(このビルは翌日倒れた).自宅周辺の状況からは想像もできなかった災害の規模を自分の目で確認するため,三宮周辺を小走りで見て回り,ビル・木造家屋の倒壊など,被害の深刻さに驚くとともに,1)築後25年の西市民病院や市内医療機関の安否,2)家屋などの倒壊による負傷者に対する救急医療,3)避難者に対する医療の確保などが頭に浮かんだ.
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