連載 保健活動—心に残るこの1例
老人性痴呆の単身生活者と家族についての一考察
萩原 律枝
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1北九州市小倉北保健福祉センター福祉第一部保健福祉課
pp.289
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901248
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北九州市は,平成5年10月1日より保健と福祉の統合を目的として,年長者相談コーナー(以下,コーナー)を設け,ケースワーカー,保健婦の主査を各1名配置し,老人問題の窓口の役割をとっている.
T氏については,地区民生委員から平成6年3月22日にコーナーに相談があり,5月6日にコーナーから地区担当保健婦に訪問指導の依頼があった.依頼の内容は,「県営住宅の4階で単身生活をしているT氏の部屋から蝿が異常発生し,同住宅内の住民が困っている.また,本人の安否も気になる.コーナーから長男に,今後の処遇を話し合うため来所の依頼の電話をしたが,仕事の都合を理由に来所しなかった.また,近所に住む甥宅に電話するも,T氏の面倒をよくみていた甥の嫁は,乳ガン手術後のため,現在T氏の援助ができない状態である」というものであった.
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