特集 公衆衛生の新たな地平
WHOの公衆衛生政策
遠藤 弘良
1,2
1厚生省健康政策局総務課
2前WHO本部資金調達課
pp.7-10
発行日 1995年1月15日
Published Date 1995/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901176
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はじめに
「すべての人々に健康を」というWHOの掲げた目標(HFA:Health For All)は,1977年の世界保健総会で採択され,翌1978年にはアルマ・アタにおいて,HFA実現の戦略としてプライマリ・ヘルス・ケア(PHC)が宣言された.公衆衛生の究極の目標は,まさにこのHFAそのものといえる.そして公衆衛生の知見・実践はWHOの活動の支えである.
このような見地から,WHOは公衆衛生の研究や教育にできる限りの支援を行ってきた.しかしながら,近年,公衆衛生が学問として,またその実践を介して本当に時代のニーズに合っているかが問われるようになってきていることも事実である.HFA達成ゴールである西暦2000年を目前にして,健康問題をめぐる世界的な大きな変革のうねりの中で,WHOも公衆衛生の変革の必要性を認識し,21世紀の公衆衛生のありかたを模索している.
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