特集 母子保健と福祉
母子保健福祉の実践—寝屋川市の取り組みと連携—乳幼児健康診査と療育の保障を中心に
高城 寛志
1
1寝屋川市健康増進課
pp.484-488
発行日 1994年7月15日
Published Date 1994/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901072
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◆はじめに
地域保健福祉の推進がいわれ,保健所が中心になってすすめてきた保健サービスの実施主体を市町村へと移管することがその主眼となっているようであるが,母子保健領域での福祉と保健の実態はそう単純なものではない.
保健所が追求・努力してきた内容・課題がなんであったのか,市が福祉行政の中で実現に向け努力してきた内容がどのような形で結実しているか.それらのことをあらためて確認し,その成果の上に立って新たな結合をさせることこそが重要と思われる.行政機構を単純に一本化すれば新たな機能が生まれるわけではない.保健所の機能,あるいは事業の一部を市町村に下ろせばすむというものではない.高齢化対策に市町村の力が大きく向かおうとしている今日,母子保健領域での成果達成から多くを学ばなければならない.
また,母子保健の領域で残されている問題や,新たに生じている諸課題,少産化,虐待,若年出産,離婚の増加などに対応するためにも,これまでの成果と教訓を明らかにしておくことは,この領域の事業を充実・発展させ,住民要求に応えるものにしていく上で重要になっている.
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