特集 母子保健と福祉
乳幼児の健全育成への新たな展開に向けて
田中 邦代
1
1前香川県丸亀保健所
pp.489-492
発行日 1994年7月15日
Published Date 1994/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901073
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◆はじめに
母子保健法が制定されて約30年になるが,「乳児死亡の改善」を大きな目標に各県・地域で様々な取り組みがなされ,本県においては,よい子を生み育てる対策室の設置,母子愛育班の育成など多くの事業が実施され,その結果,乳児死亡率をはじめとした各種指標の改善がみられた.このような成果は,一朝一夕にして成し遂げられたものではなく,医療技術の進歩や生活環境の改善等のほか,私たちの先輩の努力の賜物である.
しかし,近年,人口の高齢化により「老人保健」,「在宅ケア」等の対策が急務となり,医療・福祉・保健の連携のもとに多くの施策が実施されようとしている.
このような現状の中で,母子保健について,今一度活動を見直し,将来を担う子どもたちをいかにして健やかに生み育てていくか,そして地域における保健所保健婦の役割はどこにあるのか等を本県独自の「乳幼児保健指導事業」をとおして考えてみたいと思う.
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