公衆衛生医師—その現状と課題 座談会
老人保健事業を再検討する(2)
浅野 明美
1
,
一居 誠
2
,
森岡 聖次
3
,
笹井 康典
4
1京都市西京保健所
2大阪府福祉部高齢者保健福祉室
3和歌山県立医科大学公衆衛生学教室
4大阪府四条畷保健所
pp.341-347
発行日 1994年5月15日
Published Date 1994/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901035
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■健康手帳は
森岡 健康手帳が一つの事業として位置づけられていますが,その発想はいいと思うのです.個人が自分の情報をいつも持っていて,それで新たな情報が増えたらそれを追加して書き込んでいき,医療機関などを受診したときに,そのデータベースを参考資料として医師に見せられるという趣旨だと思います.しかし,現実に健康手帳の活用はどうなのでしょうか.市町村としては一生懸命に受診率を追求し,健康手帳を配布するということを行っていますが,各個人は健診データをどう使っているのでしょうか.
浅野 診察現場の保健所の外来では結構利用されています.基本健康診査のデータをきちんと記入されている方もおりますし,保健所での血圧や尿検査のデータも記録されています.それからリハビリテーション訓練の方も手帳を上手に利用されていますし,多いとは言えませんが,医療機関での検査データもきちんと書き込んだりはさみ込んだりされている方もおります.
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