特集 地域開発と公衆衛生—地域活性化の論点と戦略
農村における生活関係普及活動と地域活性化
田村 久子
1
1農林水産省農林水塵研修所生活技術研修館
pp.178-181
発行日 1994年3月15日
Published Date 1994/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900992
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◆はじめに
農村部は若壮年層が減少した人口構成となり,高齢化社会を20年先取りしているといわれる.
疾病もがん,虚血性心疾患,糖尿病,アレルギー,骨粗しょう症等,食事やストレスの多い生活など日常の生活管理に起因する疾病が大半を占めている.医療費の負担が公私ともに社会的問題となっている現在,安全で新鮮な食品,健全な食生活,ストレスをやわらげる生活の仕組みの改善,温かみのある人間関係,やすらぎのある農村環境などが疾病の発症を抑制し,健康で活力のある地域社会を形成するための重要な要素として浮かび上がってきている.
今回「地域社会と公衆衛生」の特集を組まれた趣旨が,公衆衛生の概念を今日的課題である健康づくり,予防,医療,リハビリ,福祉,教育,労働環境保全等の広義の概念としてとらえ,個人個人の特性を生かした健康で豊かな人生を送れる活力ある社会を創造することをねらいとしていることを知り,同様に農業者という“人”に着目して活動を行っている農林水産省の生活関係普及活動と公衆衛生活動とが連携することにより,農村の地域活性化に貢献し得ることを願って,活動の一端を紹介することとしたい.
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