特集 地域保健をどうすすめるか—保健所長はこう主張する
地域保健をどうすすめるか
笹井 康典
1
Yasunori SASAI
1
1大阪府四条畷保健所
pp.676-679
発行日 1993年10月15日
Published Date 1993/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900891
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■はじめに
昭和53年から始まった国民健康づくり計画は,保健所の公衆衛生サービスに加えて,プライマリー・ヘルスケアの理念を踏まえ,住民に身近な市町村で生涯を通じた健康づくりをすすめるという点で画期的なものであった.昭和58年からの老人保健事業も地域保健活動に大きな影響を与えた.それらは保健所と市町村が協力した保健活動を一層進める契機になるなど,新しい刺激をもたらした.次いで昭和60年に医療法が改正された.医療圏が設定され,医療計両が策定されることとなった.
平成元年には,保健所のあり方を中心として地域保健将来構想報告書が発表された.そして,その趣旨を踏まえ,地域保健活動における①地域保健医療計画の具体化,②総合相談事業,③広域的・専門的対人保健サービス,④総合的な在宅ケアの体制づくり,⑤栄養・運動・休養面からの健康づくり,⑥地域特性に対応した先駆的事業,⑦公衆衛生関係者に対する研修事業,⑧市町村の保健事業実施に対する指導,技術援助等の充実が図られてきた.
今回「地域保健対策の基本的な在り方について」の報告が出された.
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