特集 高齢者保健福祉推進十か年戦略(ゴールドプラン)のすべて
[実践に向けて]
愛媛県における脳卒中登録システム
木村 真理
1
,
三谷 誠一
1
,
櫃本 真一
2
1愛媛県保健環境部
2愛媛県伊予保健所
pp.998-1003
発行日 1991年11月25日
Published Date 1991/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900365
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はじめに
高齢化社会の進展に伴い増加している脳卒中によるねたきりや痴呆を防止するためには,その原因となる脳卒中の発症予防に合わせて発症後のケアが重要である。脳卒中発症者を早期に把握し,保健指導,機能訓練,訪問看護等の一貫した地域ケアを推進するためには,医療機関からの脳卒中発症者にかかる医療情報が提供され,個々の患者が適切な保健・医療・福祉のサービスを受けられるシステムの整備が必要である。また,このシステムによって,各地域の脳卒中の発症状況や疫学特性,受療状況,予後等を把握することができ,地域の実状に合った脳卒中対策が可能になる。
さて愛媛県では,愛媛大学医学部の協力を得て,1982年6月から宇和島中央保健所管内の鬼北4町村において,農村医学センターを登録センターにした地域脳卒中登録が開始されたのを始めとして,南予地方の各地域で,地元医師会,市町村,保健所等の協力体制が整ったところから順次,保健所や市町村等を登録センターにした独自の地域脳卒中登録が行なわれてきた(表1)。この流れを受けて1990年7月から,“脳卒中登録による地域ケア推進事業”として全県下に拡大し,各保健所を登録センターにした脳卒中登録を開始した(1991年1月から本登録)。
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