特集 小児成人病の予防
小児成人病への福祉学的アプローチ
植地 正文
1
Masafumi UECHI
1
1埼玉県立衛生短期大学保育学科(小児保健)
pp.750-754
発行日 1992年11月15日
Published Date 1992/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900679
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〔はじめに〕
わが国の社会構造,疾病構造の変化にともない,ライフスタイルにも様々な変化があらわれてきている.従来,小児期では稀と考えられていた心筋梗塞,脳卒中,糖尿病,高血圧,消化性潰瘍などの成人病も食生活の欧米化などによる変化,運動不足,家庭環境の変化,ストレスなどによって,小児期からみられるようになり,公衆衛生学的にも注目されはじめてきている.このままの状態で放置しておけば,この世代の寿命も短くなり,やがてくる21世紀の高齢化社会を支える労働人口はさらに減少し,その結果として,日本民族の存亡の危機を招きかねない.
1990年(平成2年)度より「小児期からの成人病予防に関する研究班」を厚生省が組織し,小児成人病に関して多方面から検討が加えられていることは喜ばしい限りである.
本稿ではすでに小児成人病が発症している場合,どのように治療し,障害のある人々をいかにケアしてゆくか,社会福祉的側面からながめてみようと思う.
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