特集 小児成人病の予防
小児成人病への心理学的アプローチ—小児肥満児への対応
吉田 弘道
1
,
長谷川 智子
2
,
太田 百合子
1
Hiromichi YOSHIDA
1
,
Tomoko HASEGAWA
2
,
Yuriko OHTA
1
1こどもの城小児保健部
2早稲田大学文学研究科
pp.746-749
発行日 1992年11月15日
Published Date 1992/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900678
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〔はじめに〕
小児肥満は,小児成人病へとつながる一つの危険因子として,その対応が注目されている.肥満は,体質が関係しているものの,直接的には食べることにまつわる問題から生じるものである.この食べることの問題には,親子や家族の心理的な問題が潜在的に存在していることが少なくない.この心理的な問題が,「食べる」という習慣に影響し,結果として太るという現象を生じさせていると考えることもできるのである.
本論では,この小児肥満の心理的背景と,これに対する心理学的アプローチについて考察することを目的としている.まず,小児肥満の心理的背景に関する研究を紹介し,続いて,発症要因の観点からいくつかの事例を紹介しながら,心理学的対応について考察を加えることにする.
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