保健行政スコープ
「平成3年度版厚生白書」の解説
大井田 隆
1
1厚生省生活衛生局企画課
pp.590-591
発行日 1992年8月15日
Published Date 1992/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900637
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1.はじめに
平成3年度厚生白書が今年の3月末に閣議に報告され,公表された.ここでは,厚生白書のメインテーマである「広がりゆく福祉の担い手たち」について解説することとする.
世界一の長寿大国になり,各自が自分の生活設計や生きがいについて,真剣に考えることが必要になってきた.健やかで生きがいのある人生をまっとうするには,人生に主体的責任をもってかかわることや福祉活動,地域活動などに積極的に参加すること,すなわち「自立と参加」という考え方が重要になる.近年,保健医療・福祉サービスについては,ライフスタイルや価値観に合った民間サービスの提供を受けることも珍しくなくなっている.また,福祉需要に対して,多くの人々が参加していくことも大切であり,長寿社会では,同一人物でもある時は支える人,ある時は支えられる人という構図になることが期待され,こうした中で個人や企業の活動が展開されることが必要である.
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