特集 地域における看護と介護
在宅要介護老人へのアプローチ—コミュニティ心理学の視点から
久田 満
1
Mitsuru HISATA
1
1東京大学医学部健康科学・看護学科成人保健・看護学教室
pp.385-389
発行日 1992年6月15日
Published Date 1992/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900586
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■はじめに
コミュニティ心理学とは,1960年代のアメリカにおいて,「第三の精神衛生革命」と呼ばれた地域精神衛生運動の中,従来の臨床心理学に対するアンチテーゼとして登場した応用心理学の一領域である1).その目指すところは,臨床心理学と同様,個人や集団の精神的健康を高め,より適応的に生活できるようにすることであるが,その視点や方法論には大きな違いがある.
本稿では,コミュニティ心理学注)の視点から,地域における老人看護ないし介護の在り方を考える際に必要なフレームワークを提示してみたい.心理学の扱う問題は基本約には心の問題ではあるが,様々な障害を抱えながら在宅で過ごす高齢者のケアの在り方を考える際に参考になる点が少なくないように思われる.
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