特集 地域における看護と介護
地域における看護と介護
佐々木 順子
1
Junko SASAKI
1
1筑波大学社会医学系医学社会学
pp.380-384
発行日 1992年6月15日
Published Date 1992/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900585
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■はじめに
保健・医療・福祉の連携といわれる.何も目新しいことではなく,保健・医療・福祉の分野で働く人は,各々の現場での問題解決をするために日常的に行ってきたことである.では,なぜ今大きな話題性をよんでいるか.それは,問題を解決するための保健・医療・福祉のかかわり方に,従来にも増してより密接な連携をもつ必要性が求められるようになったことによる.ひとつには,高齢者の増加による対象数の増加,豊かな生活(QOLの向上)への要求があろう.また一方には,医療費の増大に対する危機感が引き金になっていたことも見逃せない.保健・医療・福祉は,ともに人々の健康な生活を保証するシステムである.その強力な後ろ盾になるものが医療であり,基盤となる生活,しかも質のよい社会生活を支えるものが福祉であり,保健は全体活動の推進力となる.そして,保健・医療・福祉に共通する理念がケア(世話をする)であり,共通する機能が看護・介護といえよう.まず,医療の視点からこれを考えることにする.
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