報告
離島診療所における小動物刺咬症例の臨床的検討
水関 清
1
Kiyoshi MIZUSEKI
1
1字和島市国民健康保険九島診療所
pp.821-825
発行日 1991年11月15日
Published Date 1991/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900471
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●はじめに
一般に,国民健康保険直営診療所は都市から離れた地域に設置されており,都市部の医療機関では経験することの少ない症例に遭遇することが比較的多い.野生の昆虫・節足動物やペット用小動物等に,刺されたり咬まれたりすることによって生ずる各種症状(以下,小動物刺咬症)を主訴として受診する患者は,その代表的なものと思われる.そうした症例のなかには,稀ではあるがアナフィラキシー・ショック等を起こして重篤な経過をとるものもあり1,2),小動物刺咬症例に対し適切な初期治療を施すことは,国民健康保険直営診療所の重要な任務のひとつである.
四国南西部の離島に設置されている宇和島市国民健康保険九島診療所(以下,診療所)において,1986年7月からの4年間に筆者は105例の小動物刺咬症例を経験しえたので,若干の文献的考察を加えて報告する.
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