保健婦活動—こころに残るこの1例
出会いから7年が過ぎて
松永 絹子
1
1鹿児島県鹿屋保健所
pp.511
発行日 1991年7月15日
Published Date 1991/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900389
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7月のある朝,私はけたたましい電話の音で起こされました.受話器をとると,「絹子さん? 今日で,断酒7年めの記念日が来たよ.あなたに,1番に知らせたくて」と,とてもはずんだ声が,寝ぼけた私の耳にとびこんできました.夜の明けるのを待ちかねるようにかかってきた電話は,以前担当したアルコール症のTさんからの,断酒が7年間続いたという,うれしい知らせでした.その声は,私に,Tさんとの出会いの頃や,その後のかかわりを思い起こさせました.
それは,私が就職して間もない昭和58年のことで,Tさんの他にも,アルコール症で入院するケースが多く,本当に,どう支援していけばよいか模索している頃のことでした.
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