特集 臨床疫学
医療現場での臨床疫学
藤井 博之
1
Hiroyuki FUJII
1
1健和会臨床疫学研究所みさと健和団地診療所
pp.836-839
発行日 1990年12月15日
Published Date 1990/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900235
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■はじめに
1980年代に入って,欧米を中心に臨床疫学が注目されてきた.臨床医が診療の場で駆使する新しい手法として確立されてきた点に,この学問が従来の疫学と異なる意義がある.その意味での「臨床疫学」という用語のルーツは,1966年のPaul,J.R.1)の著作にたどることができよう.これと別に,わが国では,すでに1960年に川上が第一線臨床医の立場から,疫学の方法論に注目していた2).
我々の臨床疫学研究所もまた,こうした歴史と運動を意識して,第一線医療機関に付属する形で,1984年に設立されたものである.
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