進展する地域医師会の公衆衛生活動 インタビュー
B型肝炎対策に取り組む南宇和郡医師会(2)—肝炎対策に取り組む
粉川 顕仲
1
Kenchu KOGAWA
1
1南宇和郡医師会
pp.418-419
発行日 1990年6月15日
Published Date 1990/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900119
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□取り組みまでの背景と経緯は
粉川 この南宇和郡という地域にはATLのキャリアが多く,ある地域の実態調査では住民の約3割が,ATLの抗体を持っていました.ある地区では5年間に10人が亡くなっており,そのうち8人までがATLが死因と疑われる状況でした.また,肝疾患の有病率も高く,HBs抗原のキャリア率も2.5%(昭和63年度日赤血液センター献血者調べ)と県下でも最も高い地域でした.
昭和61年に地域の医師会が中心になって開催している南予医学会(第37回)に熊本大学の高月清先生をお招きして,ATLに関する講演をお願いしました.B型肝炎に関して,全体としてはまだあまり関心がなかったのですが,この学会に出席した一部の会員から,ATLはまだワクチンもなく,プライバシーの問題もあって行政としても取り組みは難しいだろうが,B型肝炎だったらワクチンもあるから取り組めるのではないかという提案があったのです.
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