特集 摂食障害の理解と対応
摂食障害の理解の促進と啓発の現状と課題—日本摂食障害協会(JAED)の取り組みから
小原 千郷
1,2
1一般社団法人日本摂食障害協会
2国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所行動医学研究部
pp.762-766
発行日 2019年10月15日
Published Date 2019/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209250
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
摂食障害は先進国を中心として多発しており,社会的な問題となっている.発症年齢は青年期をピークとして子どもから中年期に及ぶ.また,女性に多いが男性にも発症するなど,いわば誰もがなり得る病態「common disease」である.発症すれば,精神面・心理面・行動面でさまざまな症状が現れ,悪循環しながら生活全般に影響を及ぼし,対人関係や学業や就労などの社会適応にも支障を生じる.摂食障害に対する専門的で総合的な治療が求められるとともに,発症を予防し,また疾患を抱えた患者を社会の中でサポートするための啓発活動が必要である.
上記の課題を解決するため,2015年に日本摂食障害協会(Japan Association for Eating Disorders:JAED)が発足し,2016年に一般社団法人化した1).本稿ではJAEDの活動を紹介し,一連の活動の中で得られた摂食障害の理解の促進と啓発の課題について考察する.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.