特集 ヘルスサービスリサーチ—サービスの効率と質の向上へ
英国の地域包括ケアに用いられる社会指標の枠組み
高橋 秀人
1
,
森川 美絵
2
,
森山 葉子
3
1国立保健医療科学院
2津田塾大学総合政策学部
3国立保健医療科学院医療・福祉サービス研究部
pp.683-689
発行日 2019年9月15日
Published Date 2019/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209227
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はじめに
英国では,国の逼迫した財政負担,慢性疾患や併存疾患を持つ患者の増加,質の高いケアの要請などに対処するため,2010〜2012年に国民の健康結果(outcome.アウトカム)について変革が行われた.この変革で,①国民健康サービスアウトカム指標体系(NHS Outcomes Framework:NHSOF),②ヘルスケアの成果を測定するための公衆衛生アウトカム指標体系(Public Health Outcomes Framework:PHOF),③ソーシャルケアアウトカム指標体系(Adult Social Care Outcomes Framework:ASCOF)の使用が始まった.これらのアウトカム指標体系(以下,指標体系)は,いくつかのサブドメインおよび,それらに属す一連の指標群から構成される.各指標体系には,異なる指標体系間で共有されるものがあるが,基本的にそれらは独立し,指標は実情に合わせて定期的に見直されている1).
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