予防と臨床のはざまで
日本成人病学会シンポジウム
福田 洋
1
1順天堂大学医学部総合診療科
pp.486
発行日 2019年6月15日
Published Date 2019/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209172
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ある日の昼下がり,医学部長(当時)から一本の依頼の電話がかかってきました.循環器内科学の教授でもある代田浩之先生は,第53回日本成人病(生活習慣病)学会学術集会(2019年1月12日・13日.http://jsad53.umin.jp/greeting.html)の会長です.日本医師会認定産業医の単位にもなる,産業保健寄りのセッションを2つ企画せよ,という指示でした.内科医や開業医の先生方も多く出席する学会ということで,重責にビビりつつも,臨床の先生方に「産業保健をアピールする重大なチャンス!」と,気合を入れて演者の選定を行いました.
初日のシンポジウムは「健康経営時代の生活習慣病対策」.高橋英孝氏(東海大学医学部基盤診療学系健康管理学),滝川一氏(帝京大学医療技術学部)を座長に迎え,筆頭演者の森晃爾氏(産業医科大学産業生態科学研究所)に「健康経営の目指すもの」と題して,基本的な概念やそのメリット,大企業から中小企業に広がりつつあるムーブメントやゴールについてお話をいただきました.現場の視点では,坂本宣明氏(ヘルスデザイン社)から「産業医による働き盛り世代への生活習慣病対策」を,三輪真也氏(医療法人社団同友会)から「保健指導機関や健保の顧問医,産業医活動を通じて感じている事」をそれぞれお話しいただきました.健診事後措置や重症化予防などの地道な取り組みの紹介があり,嘱託産業医をされている先生方には,非常に身近に感じていただけたのではないかと思います.
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