特集 循環器疾患を予防する
循環器疾患予防のこれまでとこれから—減塩〔塩(縁)切り〕に本腰を
上島 弘嗣
1,2
1滋賀医科大学アジア疫学研究センター
2滋賀医科大学社会医学講座公衆衛生部門
pp.330-336
発行日 2019年5月15日
Published Date 2019/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209134
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はじめに
脳卒中,心筋梗塞,心不全をはじめとした循環器疾患の予防の成否は,その危険因子に対する対策をいかに進めるかによる.かつて,わが国は世界で最も高い脳卒中死亡率を有していたが,国民の血圧値と高血圧の頻度の低下と軌を一にして低下した1).脳卒中が猛威を振るった1965年前後,その原因は疫学調査によって高血圧にあることが立証された.また,高血圧の主因は,国民の食塩摂取量の多いことであると考えられてきた1).
脳卒中が激減した現在においても,高血圧対策は循環器疾患予防の柱であるのか,循環器疾患予防の歴史を振り返りながら,今後の減塩推進の重要性を考える.
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