連載 ポジデビを探せ!・9
ケース7:難病患者会の運営
なぜあの患者会はうまくいっているのか?
岡田 純也
1
,
河村 洋子
2
1活水女子大学看護学部看護学科
2静岡文化芸術大学文化政策学部
pp.689-694
発行日 2017年8月15日
Published Date 2017/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208727
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困難な患者会の運営
難病の経過は慢性的である.患者は生活の中で多面的な調整をしなければならない.とりわけ病気と付き合うために,疾患に応じた保健行動を実践していく必要がある.そんな難病患者のための生活支援は非常に重要であり,公的な支援のひとつとして,国も“セルフヘルプグループ(以下,患者会とする)の充実”を推進している1).
患者会とは,一言で言えば,共通の悩みを抱えた患者やその家族の集まりである.そこで問題を共有し,共感と連帯感を基盤にして相互援助を行う.難病と向き合いながら地域で生活を送る患者にとって,地域包括ケアの考え方からみても,患者会の活動は欠かせない資源である.ただし,患者会の運営は難しい.患者自身で行っているため,活動がうまくいっていない患者会が多くあり,全国的にみても,患者会の運営は厳しいと報告されている2).
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