特集 人に死を招く動物—人・昆虫・寄生虫
殺人と傷害の衛生統計学
綿引 信義
1
1国立保健医療科学院国際協力研究部
pp.114-120
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208606
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平成27年(2015)国勢調査の集計結果によると,外国人を含むわが国の総人口は大正9年(1920)の調査開始以来,初めて減少した.日本人人口は1億2428万4千人で2010年と比べると,107万5千人の減少となるが,75歳以上人口(1612万人)は,15歳未満の年少人口(1588万人)を上回り,超少子高齢社会が進行している.65歳以上人口(3346万5千人)のうち単独世帯人口は592万8千人で,高齢者人口に占める割合は17.7%であった.
続いて,平成26年(2014)の人口動態統計をみると,死亡数は127万3004人で死亡率(人口千対)は10.1であった.死因順位は悪性新生物,心疾患,肺炎,脳血管疾患,老衰と続き,外因死となる交通事故を含む不慮の事故が第6位に入っている.不慮の事故における交通事故の占める割合は14.6%を示しているが,死亡数は減少するとともに占める割合も小さくなってきている.交通事故と同様,外因死に分類されるヒトの加害による死亡である他殺者数も,近年,減少している.
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