「公衆衛生」書評
—多田羅浩三 著—「医学」「公衆衛生」「看護」とは何かへの深い理解—『医学清話—健康を支える知恵と制度の歩み』
高鳥毛 敏雄
1
1関西大学
pp.54
発行日 2017年1月15日
Published Date 2017/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208591
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明治期に導入された西洋医学はわが国の日常の医学となっている.明治維新から150年になり,この間に国民皆保険を達成し,長寿社会を実現し,医学研究の領域においてノーベル医学生理学賞の受賞者を出すまでになっている.
本書は,西洋医学の起源から始まり,日本の医療や公衆衛生などについて,著者が50年にわたり,教育者,研究者として,各方面で報告されてきたことを網羅した書籍である.医学とは,どのように生まれ,歩んできたのか,公衆衛生とは何か,歴史的な流れから,鳥瞰的に,一冊にまとめられた,皆さんに身近な座右の書としていただきたい著作である.内容は,第1章「西洋医学の歩み」,第2章「公衆衛生の歩み」,第3章「大学の誕生」,第4章「イギリスの社会体制」,第5章「イギリスの医療制度」,第6章「わが国の医療・公衆衛生の制度」,第7章「健康日本21の歴史的意義」,第8章「特定健診・保健指導の発足」,第9章「国際共生に向けた健康への挑戦」,補章「洪庵の学問を育んだ心」からなっている.
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