書評
―川久保清(著)―運動負荷心電図―その方法と読み方
村山 正博
1
1聖マリアンナ医科大学
pp.288
発行日 2001年4月15日
Published Date 2001/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105789
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循環器病学を専攻した後,私に最初に与えられたテーマが運動負荷心電図であったが,それが縁で運動心臓病学が終生のテーマとなった.当時,無線搬送によるテレメータ心電図が始まった頃であり,私の学位論文は「運動負荷中及び後の空間的ST-T変化の研究」であった,その頃の最大のテーマは虚血反応判定法と運動負荷試験の方法に関するものであったが,それらの方法や基準の標準化を図る目的で1975年(昭和50年)に木村栄一先生(当時,日本医大教授)を世話人代表として「循環器負荷研究会」が発足した.その後,テーマの範囲も広がり,この研究会は現在まで隆盛が続いている.運動負荷試験は虚血評価にとどまらず心機能評価・治療効果判定,運動処方の作成,さらにスポーツにおけるメディカルチェックの領域で広く利用されるに至り,また評価指標も心エコー図,核医学的指標,呼気ガス分析,代謝産物などまで広がっている.しかし,簡便かつ記録が正確で情報量の多い運動負荷心電図が基本であることは間違いない.
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