映画の時間
—スポットライト,それは闇に葬られた真実を照らすひときわ眩い正義の光—スポットライト 世紀のスクープ
桜山 豊夫
pp.381
発行日 2016年5月15日
Published Date 2016/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208436
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アカデミー賞の発表がありました.今月ご紹介する『スポットライト 世紀のスクープ』は6部門にノミネートされていましたが,作品賞と脚本賞に輝きました.
本誌2012年5月号でご紹介した『オレンジと太陽』では,第2次世界大戦後に,イギリスからオーストラリアへ移住させられた子供たちのことが描かれていました.この映画のなかでも触れられていましたが,オーストラリアの養護施設に入所した子供たちに,施設内での虐待,なかには性的暴行を伴うものもあったかもしれないという疑惑でした.養護施設のなかには,カトリック教会の運営する施設もあったでしょうし,施設で働いていた司祭や修道士もいました.聖職者であっても,人間ですから,間違いを犯すことも皆無ではないでしょう.『スポットライト 世紀のスクープ』は,聖職にある人々が犯した過ちを告発しようとするボストン・グローブ紙の記者たちの奮闘を描いています.
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