特集 専門医制度の確立と地域医療
総合診療専門医の誕生への期待
吉村 博邦
1,2,3
1公益社団法人地域医療振興協会
2北里大学
3日本専門医機構
pp.322-327
発行日 2016年5月15日
Published Date 2016/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208422
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厚生労働省による「専門医の在り方に関する検討会」の報告書(2013年4月)を受けて,新たに「総合診療専門医」が創設され,これが基本専門医資格の一つに位置づけられることとなった.この他,報告書には,専門医資格の取得を2段階制とし,最初にいずれかの基本領域の専門医資格を取得した後に,より細分化したサブスペシャルティ領域の専門医資格を取得すること,全ての医師がいずれかの基本領域の専門医資格を取得することを基本とすること,などが盛り込まれている.
すでに,2014年5月に,新たな中立的第三者機関としての「日本専門医機構(以下,機構という)」が設立され,基本19領域(内科,外科などに加え,新たな総合診療専門医を含む)については,機構が示した「専門医制度整備指針」に則って,領域別の「専門研修プログラム整備基準」「モデルプログラム」の策定が完了し,2017年度からの新たな専門医制度による研修開始に向けて,全国の研修予定施設から「研修プログラム」の申請がなされ,機構によるプログラムの認定作業が進みつつある.今年(2016年度)の初期臨床研修2年目の医師は,いよいよ,来年度には,いずれかの専門医研修プログラムにエントリーし,専門研修が始まることとなる.
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