特集 在宅ケア体制の推進と家族制度
家庭医にとっての在宅ケア
森脇 潤
1
Jun MORIWAKI
1
1神戸市医師会
pp.748-751
発行日 1989年11月15日
Published Date 1989/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208055
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■はじめに
これまで在宅での医療が困難であり,そのためやむを得ず入院していた多くの人たちが,医学と医療技術の進歩を在宅での医療に取り入れることによって,早期に本来の生活に戻ることも可能になってきた.一方では,退院可能ではあるが,家庭での看護・介護体制が整わないために退院できない人もある.これらの問題について各部門での,真剣な検討と実践が行われている.在宅での医療を主に担当する家庭医側でも,地区医師会を中心として,また,看護,福祉関係者,住民団体,行政側でも,在宅ケアの促進についての提言,実践が各地で行われている.
しかし,高齢になるほど,在宅での介護能力が減弱していくというだけでなく,主な疾病以外に,心身の老化による医学的特殊性が加わるため,家庭医が一人だけで高齢患者に対応することが出来なくなっているということを重視して対策を考える必要がある.そのためには,往診による医療が再検討されなければならない.
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