特集 長寿社会と公衆衛生
地域開発と長寿社会
篠崎 英夫
1,2
Hideo SHINOZAKI
1,2
1前静岡県衛生部
2現厚生省保健医療局精神保健課
pp.807-811
発行日 1988年12月15日
Published Date 1988/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207825
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■はじめに
静岡県は日本でも,従って,世界的にも有数の長寿地域の一つである.女性の平均寿命は81.37歳で全国第4位,男性は75.48歳で8位である.訂正死亡率でも,女性は人口10万対284.7で低いほうから4位,男性は12位である.しかるに老人一人当たりの医療費は381,484円で,少ないほうから2位である.また平均在院期間42.8日は短いほうから3位,病床利用率83.2%は低いほうから16位,も長寿を裏づける指標といえるのではないかと思う.気候温暖,風光明媚な県土の上に,勤勉で穏やかな県民性が重なって,長寿県を形成したのであろう.
今後さらに長寿対策を推進するため,"不死"(フシ→フジ)の語源とも言われる不老長寿のシンボルである富士山にちなんで,"普段から実行しよう3運動"即ち,①進んで健診,②運動と休養,③正しい食習慣(フジサン運動)を県政の重要政策課題として掲げ,「日本一健康県づくり」を展開している.
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