講座
産業医学における神経および心理・行動機能評価〔3〕—中枢神経機能—大脳・脳幹誘発電位と事象関連電位
村田 勝敬
1
,
荒記 俊一
1
Katsuyuki MURATA
1
,
Shunichi ARAKI
1
1東京大学医学部公衆衛生学教室
pp.483-486
発行日 1988年7月15日
Published Date 1988/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207734
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■はじめに
産業医学領域における中枢神経系の機能評価法として従来より脳波があり,メチルブロマイド中毒における「痙攣波」のように大脳表層部の定性的な障害の同定に使われている.
一方,近年コンピュータによる情報処理技術の発達に伴い,中枢神経系の求心性機能を反映する各種の誘発電位や認知・判断機能に関連する事象関連電位などの機能別,定量的な脳電位の測定技術が幅広い分野で応用されつつある.本稿では,既に測定技術が確立し生理・心理学的意義も次第に明らかになりつつある短潜時体性感覚誘発電位,聴性脳幹誘発電位,視覚誘発電位および事象関連電位(P300)の測定法と,産業医学領域での測定成績を紹介する.
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