特集 現代の食生活
食生活指導の実際
乳児指導,離乳食指導を通してのかかわり
鈴木 静江
1
Shizue SUZUKI
1
1埼玉県中央保健所
pp.458-459
発行日 1988年7月15日
Published Date 1988/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207725
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私たちの生活環境は,高度経済成長期以降著しく変貌したが,特に物質経済優先の思想は,生産中心の生活パターンを消費中心に変化させてきている.この傾向は食生活にも及んでおり,若い人人を中心に手をかけるよりも金をかけるほうが理想的で,現代的で,価値あるものであるといった観念をうえつけるに至っている.
他方,家庭にあっても,親子関係よりも,夫婦関係を重視する生活となり,また,"親との物理的別居"あるいは,"親との心理的拒絶"による「核家族」が増加し,これが影響して育児の方法も伝承されることが少なくなってきている.しかも,親自らも親になることに努力せず,その結果は,母子間の接触は時間的,空間的,心理的に疎遠となり,母子分離の状況や母性喪失を生みだしている.
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