特集 産業医学最近の話題
産業看護
奥井 幸子
1
Yukiko OKUI
1
1NTT東京中央健康管理センター看護部
pp.397-398
発行日 1988年6月15日
Published Date 1988/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207705
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■産業看護とは
産業看護は欧米では100年の歴史を有し,看護の専門分野として定義,教育・訓練,業務内容,身分などが確立している.わが国では,1969年に第16回ICOH(International Congress on Occupational Health)が東京で開催され,IndustrialNursingの分科会がもたれたことから,"産業看護"という言葉が使われ始めた.1970年代の後半にIndustrial NursingからOccupational HealthNursingへと欧米での英語の呼称は変わったが,"産業看護"のまま普及,定着しつつある.
看護の対象が病気や病人のみでなく,健康な人にはその保持・増進のために,看護の立場から健康支援活動に参加するという考え方は,今日の看護界では常識となっている.産業看護とは,看護の基本理念や看護技術を,雇用されて働く人びとの健康の保持・増進に応用することである.日本産業衛生学会の教育・資料委員会による産業看護カリキュラム案(産業医学第23巻443頁)によると,「産業看護活動は看護の原理に立脚し,職域において組織的なアプローチを行うものであるとの前提に立っている.……中略……その基本は基礎看護修得ののちに教育される公衆衛生看護論(いわゆる新カリキュラム)に立脚し,公衆衛生看護を産業の場において展開することにある.」と定義されている.
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